RIOFAVARA

リオファヴァーラ
シチリア州 ラグーザ県 イスピカ
リオファヴァーラは1920年からイスピカで100年以上葡萄の栽培を続けており、1993年から自社で瓶詰めを始めました。その数年後に現オーナーのマッシモが引き継いだ後、そこから10年かけてワイナリーを整備し、有機栽培への取り組みを開始すると共に生産技術を磨いていきます。 有機栽培に熱心に取り組んでいる中で、数年前にイタリアのある公式認証機関が緩すぎると判断した彼らは自らその組織を脱退し、現在は自身が信頼をしている機関のビオアグリチェルト(生産から加工、瓶詰めまでのサプライチェーン全体を認証)とヴィンナトゥール(生産と管理過程を主に認証)から認証を得ています。そして、平均的な収量も35~40キンタル/haと毎年低収量を維持しており、高い品質も同時に追及しています。 シチリア南東部のシラクーザ、イスピカ、パキーノのエリア一帯はヴァル・ディ・ノートと呼ばれている地帯でとても乾燥しており、その気候を好むネロ・ダーヴォラの起源の土地でもあります。特に石灰岩が多く、水はけの良い粘土質土壌であるイスピカは地中海のニュアンスを含む、フルーティーで複雑味のあるワインになると彼は言います。イスピカの土地を最大限に表現した高品質なワインを作るために現代の技術を惜しみなく活用し、同時に持続可能な農業のため有機栽培に対しても徹底的に取り組む妥協無きワイナリーです。

MARZAIOLO 2022

マルザイオーロ
品種
グリッロ 45%、インツォリア 20%、グレカニコ 15%、モスカート 15%、レクーヌ、クトゥレーラ、ルチニョーラ 合わせて5%
樹齢
28年

イスピカ。ミウチーア畑。石灰岩の豊富な粘土質土壌。海抜120m
収穫
手摘みにて8月上旬に収穫。
醸造
収穫後にあらかじめ冷却している葡萄を除梗後ソフトプレスし、ステンレスタンクにて野生酵母で12~15℃の低温発酵後、10%のモストだけ60日間シュールリー。その後同容器にて4~6ヵ月熟成後So2を極少量添加して瓶詰め。
ミウチーア畑は非常に高い保水力のある土壌で、石灰岩の豊富な真っ白な土壌です。日照量が多く、降水量のないエリアなのでこの保水力がカギとなり、ワインに重要な酸味とPhをもたらします。豊富な石灰にライムやハーブの香りが広がり、ライチのような果実味に程よい酸が全体のバランスを保っています。複数の土着品種が混ざり合う幻想的な香りと味わいがこのワインのキャラクターを形成しており、地中海的なワインとして楽しめる1本です。ホタルイカや桜エビとの相性も抜群です。Alc.13%

MIZZICA 2022

ミッツィカ
品種
モスカート・ビアンコ 100%
樹齢
12年

イスピカ。ミウチーア畑。石灰岩の豊富な粘土質土壌。海抜120m
収穫
手摘みにて8月上旬に収穫。
醸造
芳香性を維持するために除梗後10℃まで冷却しソフトプレス。ステンレスタンクにて野生酵母で10~14℃の低温発酵を15日間行い、120日間シュールリー。その後同容器にて8ヵ月熟成後So2を極少量添加して瓶詰め。
モスカート・ビアンコは複数あるモスカートの品種の中の祖先とされており、今では大半をアスティで見かける品種ですがイタリアへはシチリアのシラクーザに最初に伝わったとされています。この土地のモスカート・ビアンコは白い花や白桃のような香り高いアロマと酸の繊細さが特徴で、石灰岩の豊富な土壌とも相性の良い葡萄です。白い果実の味わいにほんの少しカラメルのような余韻が特徴的で、しっかりとドライに作られているが程よい甘みと豊富なミネラル由来の酸がバランス良く感じます。華やかなアロマが心地よく食事にしっかりと寄り添うモスカートです。淡泊なスズキやコチなどの白身魚に高相性です。Alc.12.5%

SAN BASILIO 2021

サン・バジーリオ
品種
ネロ・ダーヴォラ 100%
樹齢
39年

イスピカ。ファヴァーラ・コッツォ畑。粘土石灰質土壌。海抜40m
収穫
手摘みにて9月中旬に収穫。
醸造
除梗後、ステンレスタンクにてヴァル・ディ・ノートの古典的な醸造方法(クアランタオットゥーリ)である果皮と接触させた状態で最長48時間野生酵母にて発酵させソフトプレス。その後同容器で8ヵ月熟成し、So2を極少量添加して無濾過にて瓶詰め。その後ボトル内で6ヵ月熟成
干し葡萄や黒糖の香りとカシスのアロマ。濃いめの黒系果実の味わいと程よいタンニンがボディを形成し、豊富な石灰由来の土壌からくるミネラルが余韻を綺麗にまとめている。単調な果実だけでなく複雑味が感じられる味わいで、ネロダーヴォラに適した土壌をしっかりと感じられる一本です。Alc.12.5%